思い出は未来の中に探しに行くよ、約束。

今日はミスボドの日。第23回。
つまり、来月は第24回。2周年である。今日はそれについて。

最初。秋山さんと会の名前を「ミスボド」か「ミスボゲ」で「ミスボド」に決定した。さらっとツイッターで決めたはず。わたしは「ミスボゲ」のほうが、と思ったものだが、慣れとは怖いものである。「ミスボド」でよかったと今は思っている。

聞いたわけではないけれど、そこに至った流れの一つに「藪の中」があると思っている。オインクゲームズさんから発売された「藪の中」はミステリのボードゲームだった。ゲームそのものはタイトルにもなっている芥川龍之介の小説と同じようにあいまいなゲームだった。これも記憶の中なのだけれど、発表当時にけっこうな論争を引き起こした。今なら「パーティーゲーム」というジャンルがまだ成立していなかっただけなのかもしれない、と思い至るが。
私はもうそれはそれは発売を楽しみにして、そうそうに購入するとMYSRECに持ち込んだ。酒を片手に遊んだそれは、うん、面白かった。ミステリ的雰囲気は皆無だったけど。そんなことないか。十分ミステリ的だったか。今となってはその時の気分はそれこそ藪の中だ。

そして、その時のプレイヤーに秋山さんがいたのだ。

そういうもんだと思う。ぱた、ぱた、ぱたん。ミステリ的にいうなら北村薫の「六の宮の姫君」を想起させる。奇しくもそれもまた芥川の同名小説めぐるミステリである。
そして今月は140人が集まってボードゲームを遊んだ。参加希望はキャンセル待ちができ、それへの応募が1分とかからず埋まったりと数あるボードゲーム会の中でも、そうとう人気のそれだと思う。わたしはちょっとだけ運営を手伝って、いろんな人と会ったり、しゃべったり、益体もなく過ごす。ああ、そうそう、ミステリについても話す。第1回のとき、看板に「DL2号機事件」と書いたのは、ミステリっぽさが欲しかったから。その後の苦心惨憺など想像もしなかった。この回数に合致した本の紹介はつい最近まで続けられた。もし、興味をもって読んだ人がいてくれたらうれしいのだけれど。

ミスボドが4月に始まったのはちょっとした偶然なのかもしれないし、もしかするとちょどうよかったのかもしれない。
そして、これまでも楽しかったし、未来はもっと楽しいのだ。


佳人獲て春待つ君が書斎かな
菊池寛