ある閉ざされた雪の消費者生活センターで

今日はお足もとが悪い中、数あるボードゲームサークルから「ミスボド」をお選び下さり、電脳の海からではございますがあつくあつく御礼申し上げます。さて当店は出玉じゃんじゃんばりばり……。

というわけで、第22回「ミスボド」に参加したので、その日記。この雪の中。偶然にも現在開催中のソチオリンピックも第22回だった。
今回はいつもと趣向を変えて、以下持ち込んだボードゲームリストから。

  • 暗黒の金曜日
  • モダンアート
  • カルカソンヌ(冬)
  • もっとホイップを!
  • サムライボードゲーム
  • ゲシェンク
  • ペンギンパーティ
  • ウィザードエクストリーム
  • シュティッヒル
  • セイルトゥインディア
  • 妖精奇譚
  • ビブリオス

持ち込みゲームがかぶると悲しいので(重いし)事前にミスボドのサイトに書き込んではいる。種類が多いほうが会として正解だろう。今回被ったのは「ゲシェンク」「カルカソンヌ(冬)」だったように思う。「カルカソンヌ(冬)」はもう来月は持ち込みづらいので(笑)かぶることはないかな、と。
持ち込みの考え方として、いわゆる定番ボードゲームを中心に据えている。これはミスボドの特徴なんだけど、初心者、最近ボードゲームに興味を持ちました、ボードゲーム会初参加です、ミスボド初めてです、ミスボドしか行かないですねー、という方を見かけることが多いから。未プレイという観点からすると新作も定番も旧作も「遊んだことがないゲーム」となり同値だ。その中、定番は大勢がルールを知っているし、経験しているし、気に入ったら購入もできる。もし他のゲーム会に参加した時に「それ遊んだことあります」といえる場面の可能性が高いのも定番ゲームではないかと。この「知ってる」という発言を出来た経験は前述のようなカテゴリの方には貴重な体験につながるのではないかと思う。やっぱり「知りません」より「知ってます」のほうが心理的負担というか、コストが低いし。もっと具体的に「ミスボドで遊んだことある!」と言って貰えれば嬉しい。
少し前にネットで見たのだけれど(おそらくツイッター)「繰り返し遊ぶのは初心者に多い。せっかくルールを覚えたのだから、1回で終わってはもったいないと思うからだ」という発言があった。いつのまにか「ボードゲームを遊ぶ」という経験の流れが

  1. インスト
  2. プレイ

のようになっていることに気付いた。これを「僕らはいつだって知らないゲームを遊んでいる問題」と名づけたい。知ってるゲームを、必勝法を考えたゲームを、遊びつくしたゲームをもっと繰り返して遊ぶべきなんだ。その中からインストしやすいゲームを選んで「インスト」を愉しめばいいと思う。完璧なインストじゃなくても、細かいルールはその都度確認すればいいんだよ。
そして「このゲームは定番なんだよ」と伝えて欲しい、だなんて思う。最初はどれが定番ゲームなのかも判らないのだから。

あと私は「暗黒の金曜日」が好きなんだと大声で伝えたい。開場で見つけた「贋金づくり」は遊びたかった。ルールだけ読ませていただきました。感謝。

さて。
驚いたのは「ミスボド」「ボードゲーム」のコンテンツ力(りょく)だった。あの大雪の翌日に100人以上が集まって、ただ遊ぶのだ。初対面が多数なのに。参加障壁の低さはミスボドのコンテンツ力、初対面でもすぐに時間を共有できるのはボードゲームのコンテンツ力だろうか。
そしてそれらはツールだ。
何に使うか、どうやって使うかは、君が決めるんだ。

──負け方を考えることは、気の利いたジョークを思いつくよりも、はるかに難しいものだ。
森博嗣 「笑わない数学者」)