ポーズは自由。

23日に文学フリーマーケットにいった。初めて行った。文学freemarketなんね。自由、制限がない。
到着するとまず静かなことに驚いた。それは、うーん、と「ドグラマグラ」の冒頭みたいな音が低く聞こえる静かさ。さすが文学といった趣き。事前にサイトはみたのだけれど、特に刺激される本はなかったので一筆書きで会場を一周しながらねっとりと確認のムーブ。時間ならある。めずらしく、時間があったのだ、その日は。
さて、自分が書店で適当に本を買う、ジャケ買いする場合に本当にジャケット、つまりカバー/装丁で選んでいるかと考えると断じて否である。単にタイトルで決める。あらすじをみない。ラノベだとカバーイラストはちょっとは動機になるけど、やっぱりタイトルが重い。そんな目で見ると、大学会誌はまず選択から外れる。血があしらわれた表紙はごめんなさい。そっけないのも、意味深な文字だけなのも、手元に置きたい気分にならないなー、と見ながらつらつらそう思う。そんななか、ペイパルで支払いができるサークルさんが面白かった。「買う」って行為がもう楽しいのだからずるい。まずはここで購入。ペイパル払いはもっと普及しないかなぁ。SUICA支払いも事務局側で端末を用意してはどうだろう(身勝手)。
とにかく無料が多い。紙一葉だけでも文章が載っているのだから読み物だ。無料の本もいっぱいいっぱい。それらはまずいただいてきました。ちゃんと読みます。読んでます。
と、回っていて気になるのだけれど「よかったらみていってください」の「よかったら」とは何が「よい」のだろうか。「ぜひご覧ください!」とか「見ないと損だよ!」「見るだけ無料!」とかならわかるのだけれど、よかったら、とは。ゲームマーケットでも耳にしたな。よかったら。よくないです。いや、よくなくなはないんだけど、もしかしてみないと私が悪くなるのかな、なんて思いながら意味が判らないなー、と完全スルー。到着した時間ゆえなのか、食事中のサークルさんもいくつか。これまた食事中の人の前で本を手に取るなんて行為が面白すぎる、超現実的にすぎるので、完全スルー。
結果、2フロアをめぐって、このみの写真のカバーの本をいくつか、と非実在探偵小説研究会の本を。後者は苦手な表紙なんだけど。なんなんですかね、この安易な血とセーラー服は。黒いし。
後は読むだけ。読むのが最後で一番時間がかかるし、これも参加の一形態なのか。重い紙の本がいつまで流通するのか、こういう紙の本を売る催し物が好事家向けだったり、特殊な人向けになっていく未来なんてありきたりな風景が思い浮かびましたが、はてさて。
ほんと、読まないと。11月は本を買いすぎた。

ゲームマーケットにいっても一人

昨日はゲームマーケットに行った。物見遊山。
開場後にビッグサイトに到着したのだけれど、長蛇の入場列。え? なにこれ。しかし途中で「入場券を持ってない人は左の列にー」との指示に半分以上が列を離れる事態に。カタログなしでこんなにきてんの? それも驚き。私はカタログを前日のミスボドでチェックすみなので行くところは決めてたのだけれど、この時間ではどうかなー、というところ。というくらいの熱量でした、今回。
結局、10分くらいの待機で入場。これで11時前くらい。まずは一周してみるべ、とつらつら回る。回ろうとするのだけれど、人が多い! 会場が広くなったのに、狭い! 待機列から推察できる以上の人いきれ。
まず最初に「量子カノジョ」の妹拡張をいただきに。前回の初版を見せるとカードだけもらえるとのことでいそいそと。妹ですよ、妹。ついに妹が彼女になる可能性があるのですよ、このゲーム。もーほんと、にやにやがとまりませんな。このゲームは大好きすぎるので、稿を改めて書き綴る予定は未定。
次に七タナ部さんの「ゲノム」。カタログのイラストから興味を持って。ファイルフォルダ収録の対戦ゲームで、カードシートを切って自分でカードを作って遊ぶ。これぞゲームマーケット、という手触り。「偽札作り」みたいな感じ。こういう遊ぶ前にちょいと細工のあるゲームだったり、コマ、サイコロなんぞのコンポートネントを自分で用意するゲームが以前のゲームマーケットでは珍しくなかったと思うのだけれど、どうか。んでもって、このゲームは2人用なので、遊んでどうかなー、と不安はありますが、それを楽しむのもゲームマーケットじゃないかと(自己暗示)。
次に友人からの頼まれモノ、倦怠期さんの「マンテル」。ブースに行ったのだけれど、モノがない。出遅れたかーと天を仰いでいたのですが、なんと探して出していただけました。ありがとうございました。
その後つらつらと回る中で見つけたドット絵のRPGキャラクタ風バッヂをさんざん悩んで買わなかったのを今、超絶公開しています。ぐはー、次もあるかな! 「フリーゼマテンテン」の初版カードセットを展示しているサークルさんで大興奮。「フリーゼマテンテン」はゲームとしてはアレ(とりわけ終了条件がアレ)なんだけど、カードがそろっているのは初めて見た! すごい! でも、遊びたくはないよ!
あとホビージャパンのくじでいつもどおりドミニオンのプロモカードから持ってなかった総督を見事ゲット(泣いてない)。

セブンブリッジ、MtG、テキサスホールデム、そしてごいたの体験会が開かれていたのだが、これが大盛況で印象的だった。知ってるけれど機会がなかったゲームをインストできる人が必ずいて遊べる環境、というのは気軽で楽しそう。この気軽さ、がゲームマーケットの特徴じゃないかな。カタログを当日調達して参加するくらいの気軽さ。ただ、MtGはプロモがもらえるらしく、羊の皮をかぶった狼がいたようですが。以前開催された「リトルエッセン」も、このインストを詳しい人に任せられるリッチなゲーム環境がとにかく印象的だったのを思い出した。またやりませんかね、リトルエッセン。この夏の「中央・総武線ゲームフェスタ」もそういう経験が楽しかったのよね。今回は結局どれにも参加できませんでしたが。そんな中、ごいた大会をじっと見てました。みんなの勝ったり負けたりの表情がわかりやすくて楽しかった(こなみ)。
一方で、参加サークルの試遊台なんですが、これはちょっと、いやかなりハードルが高かったかな。以前には「お蜜柑さま」なんて大当たりもありましたが、やっぱりこう、その場で遊ぶのはちょっと抵抗あるなあ。どちらかというと遊ぶのを見ていたい。今回の一部ブースで、その試遊台と隣接した設計があって、これは遊びやすいかな、とみてて思った。それでもやっぱり見てただけだったけど。
買ったサークルさんからいいねカードにサインをいただいたのですが、この企画が全然説明されていなくて面食らった。なんだこれ。サインをくださったサークルさん、ありがとうございました。この調子だとあのカードが届くのか不安ですが。何人くらい出したんだろう、いいねカード。

というところでしょうか。箱のうらに廻る。

ご注文は使い方ですか?

昨日は蒲田のボードゲーム会、ミスボドでした。ゲームマーケット前という良日程。なのに参加連絡をし忘れる失態。結局は、欠席があったため、遅れて参加できました。よかったよかった。
先月来の気になる点、持ち込みゲーム数なのだけれど、先月と同じくらいのような。そんな中にエッセン新作がいくつかありましたな。さすがです。今月は参加者上限120名、と考えるとゲームを参加者数に対する持ち込む人の割合だったり、1人当たりの持ち込むゲーム数は収束してるのかな。あと、どかーんと持ち込んでもすべてを遊ぶのは無理なので、遊びたいゲームだけ、会中で遊べる分のゲームだけ、などなど、持ち込み数は減っていくのでしょうかね。なんてことを2か月続けて思ってました。気楽に。
前述のとおり、今月はこれまでより上限は低い(それでも120名)からでしょうか、事前に参加者募集が終了したわけです。また受付の参加者チェックを見ると、欠席者がいつもより少ないので、たぶん、この辺りが妥当な上限なのかな、と。大勢の参加者、新作/名作が持ち込まれていて、その場で遊びたいゲームにすぐに人が答えてくれる。そういう気楽な遊び方ができるのがミスボドの特徴なんだと思ってます。
気楽にそう思ってました。来月は26日開催ですので、気軽にご参加くだしあ(ここに書いて意味があるのか、なんだかすっごくギモン!)。

まずは「このライトノベルがすごい」得点結果発表! 手元の予想シートが先月分ですので、モニターランキングを対象としました。

  • 秋山さん

   総合:5点 モニター:0点 合計:5点

  • 王子

   総合:5点 モニター:14点 合計:19点

  • リッパーさん

   総合:5点 モニター:15点 合計:20点

  • とにざぶろうさん

   総合:15点 モニター:14点 合計:29点

  • まめさん

   総合:27点 モニター:14点 合計:41点

  • まつだ

   総合:16点 モニター:26点 合計:42点

以上の結果でした。なんという自作自演。特筆すべきは秋山さんでしょう。1人だけ「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」を投票していました。さすがです! そして「エイルンラストコード」は無投票でした。また、全員が「六花の勇者」と「絶新海のソラリス」を投票しているのは、情報が古いと言わざるを得なかったです。来年はもっと的確に予想できるよう……!

遊んだあとは、ゲームマーケットカタログ片手にみんなと意見交換。あれやこれや、このサークルの前のゲームは面白かった、ここのはどうだ、これはどうだ、などなど。それを聞きながらサークルをチェックしていくのが愉しかった。この場の話題はなんといっても、世界水準、ですな。みんな知ってた世界水準。
次は「このラノ」を中心としてラノベ会談。こちらは今年のこのラノ変ったね、と。新作中心になったのは歓迎。今年面白かったライトノベル、じゃなくて、好きなライトノベル投票になってるので変化がないのかな、というところでした。

とまぁ、今月はそんなところでしょうか。ボードゲームは「トーレス」遊びました。やっぱり楽しいトーレス。最下位でした。

ミスボドとガンダム

昨日はミスボドでした。
最近「ゲームの持ち込み数が減ったなぁ」と漠然と感じていたのですが、今月はさらに顕著に。移ろいの範疇なのですが、以下思うに。

  • 持ってない人が増えた
  • ポーカーの人が増えた
  • 急に参加する人が増えた
  • 希望ゲームのプレイヤーを事前に調整して、それだけ持ち込む人が増えた

あたりでしょうか。受付から見るとミスボドの参加者自体がやや落ちついた、かなと。当日ぶっこみでも問題なく参加可能ですので、大勢のご参加をお待ちしています。「枯山水」がなかったのが印象的でした。どこいった。
来月はゲームマーケット前日。一番減るような。そんななかクロマさんはさすが和製エッセンでした。ここでしか遊べないゲームが、確かにありました。すごかったです。後述。

この手の移ろっていくものを見るにつけ、富野御大のガンダムの定義を思い出します。みんな中にそれぞれのガンダムがあり、それらはすこしづつ重なっているのだけれど、誰にも重なっていない中心にもガンダムがある、というものです。
当然ながらそんな大仰なものではなく、月一開催のボードゲーム会なわけですが。最近はあきやまさん自身も遊んでるので良い方向に向かっていると感じてます。普及したなぁ、と実感しますな。

遊んだゲームについてすこし。

  • 皇帝の影

ひゃっはー! 皇帝の影だぜ! 今年初めてのプレイですな。3時間は余裕なので持ち込むのに勇気がいるのですが、ミスボドなら許されるよね! ということで気楽に持ち込んで、プレイにこぎつけました。ひさしぶりすぎてインストをとちりました。PHYさんありがとうございました。
まー、選帝侯国についてべらべらしゃべれたので満足です(ゲス)。ランダム性、ゆれがないゲームなので、判ってくると詰将棋なんですよね。あとスタートプレイヤーがめっちゃ有利ですし。ワーカプレイス、エリアマジョリティを経てスタートプレイヤーを競り落とすゲームでした。マジョリティも維持は要らない。のっとりが基本方針。いろいろ発見の多いプレイでした。また遊びますよ、ええ。

  • 電子だるまさんがころんだ

前述のクロマさん持ち込みの新品(新作ではない)。50センチくらいの五徳の上に動態センサーだるまさんが鎮座しているので、それに反応しないようにだるまを置くゲーム。ルールとセンサーの性能把握にやや手間取りました。このセンサーの性能判定が試行錯誤の連続と集積でおもしろかったです。以前も大車輪ゲームでおなじような経験がありましたね。思考錯誤と集積。

新作。ストリートファイターのカードゲーム。格闘ゲームからコマンド操作を抜いて読みあいだけに特化した内容。キャラクター性能差も搭載されていて、めっちゃ繰り返して遊ぶゲームだな、と。まさに格闘ゲーム。おもしろかったです。2セット用意して同キャラ対戦、KoF化したい、など期待が広がりますな。あと拡張がなんぼでも出そう。

閉会まぎわに計画していた「このライトノベルがすごい2016ベスト10予想」会へ。
お互いの予想を開示してあーだこーだと意見交換でした。予想は似たり寄ったり。ダンジョンに出会いを求めたり、青春ラブコメがまちがってたり、ソードがアートだったり、ゲームがなければ生きてる意味がなかったり、ねじを巻いたり、花が六つだったり。しかし、これは平凡、世間である! 協力者票、つまり昨年の「後宮楽園球場」枠、プライドをかけて投票したラノベが抜けているんじゃないか、ダークホース枠が抜けている、ということになり、もう一度予想しなおしとなりました。個人的にはそこが「英雄教室」だと思うんですが。「絶対悪」「グリムガル」「不戦無敵の影殺師」あたりか……。いや、これらは2015年の新作ではない。いや、しかし……。
来月のミスボド開催日はなんとこのラノ2016の発売日と判明。次回は答え合わせです。

というわけで、またおあいしましょう。

9月のミスボド。

9/12はミスボドでした。

18時すぎに到着して、すぐさま「ラー」。最近発売された日本語版を。いろいろ判ってきておもしろい。24点で3位だったかな。
その後は「詠み人知らず」。ひどいのが出来ました。満足。

到着が遅かったのでこの程度。
ボードゲームの体験よりも、なによりも言葉にしたいことが。

会場にある調理室でお菓子が作られていたのにほんとにギリギリ間に合いました。いつもいつもお菓子を作ってくれるWDさん、ほんとにイケメン。お菓子を作れるって、もう、ほんとに、魔法の範疇です。甘くておいしい。食べると嬉しい。
受付では主宰のあきやまさんがスマホゲームを協力プレイ中。
会場も混雑しているふうでもなし。
ミスボドが、ボードゲームがブームを終え、普及して、娯楽の一つして定着して、それを楽しむ機会としてミスボドが定着した、つまり「いつでもミスボドは開催されているし、ボードゲームはいつだって遊べる」と理解されたのだと体感できた。はるか昔。広井王子堀井雄二の対談で「ファミコンブームは終わった。そこで消えるはずが定着した」と意見の一致を見たのを思い出した。続けていると、いつのまにか、この状態が定常であること、いつまでも続くと誤解してしまう。でもって、ある日突然、それに気づく。「もうない」ことに気付く。でも、それ以前に簡単なことがあって、2015年9月のミスボドはこの日だけで、もうどうやっても二度とはないのです。「こんどでいい」のその「こんど」はいつまで続くのか判りませんし、もしかすると、私もあなたも、もうボードゲームを遊んでいるような状態でなくなるかもしれない。そして毎月思うのです。「今月もボードゲームがミスボドであそべた」と。そう思うために参加しているのです。
ボードゲームの知識も経験も、所有数も、ルールを知っていることも、強いことも、なにか貢献していることも、その人の価値にはなんら寄与しません。ただただ面白い。それだけだからです。

いつも通りのミスボドの閉会を見届けで、後片付けをして、そういう思いで満足できました。10月も参加できますように。

面白かった1冊完結のライトノベル

長いシリーズもののライトノベルはちょっと…そんな方にオススメしたい一巻完結のライトノベル! : 本達は荒野に眠る
これをよんで、なるほど、私が好きなのは入っていなかったのでそれについて熱意をもって書こう。

  • 麗しのシャーロットに捧ぐ

一読、釈然としない。それほどに入り組んだ物語。読み終わって気づくのだが、なによりタイトルがよい。「狂い壁狂い窓」が好きな人にはお勧めできる。

  • 幽霊列車とこんぺい糖

富士ミス2連発。この2冊だけ読んどけばいいんじゃないかな、富士ミスは。作者の双璧を成す傑作「あまがみエメンタール」も必読だ。

  • うさぎの映画館

うさぎの映画館 (電撃文庫)
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いまメディアワークス文庫を中心にしてもりあがってる個人事業主ミステリ短編の嚆矢と言えるか。骨とう品店を舞台にした連作ミステリ。ひとつひとつがちょっとずついい話。

ほうかごのロケッティア (ガガガ文庫)
大樹 連司
小学館
売り上げランキング: 374,622
電波女とワケアリ男。夏と南の島。これだけで身が震える人は読まなければならない。

  • ピクシー・ワークス

夏と戦闘機と少女たち。これまたこの言葉で身が震える人は読まなければならない。なぜ飛ぶのか。面白いからに決まってるだろ!

  • 世界が終わる場所へ君をつれていく

突然現れる少女と、世界の終わり。少年は世界の果てを少女と目指す。あの時、やまほど出てきたセカイ系、なんだろう。けど、セカイなんてどうでもいいのもセカイ系の特徴だろう。ほんと、特になにもなく、終わります。たぶん、ほんとの終わりもこんな感じなんだろう。

  • 旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。

これもまたセカイ系。意味がなくって行く常夏の世界で、ただただスーパーカブでどこかに向かう。その日まで。

  • ラスト・ビジョン

ラスト・ビジョン (電撃文庫)
海羽 超史郎
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売り上げランキング: 336,734
夏と少女と孤島と、それだけじゃないなにか。「プリズマティカリゼーション」好きにはたまらない1冊。「バベロニカトライアル」の続きはよ。

  • 絶望同盟

絶望同盟 (一迅社文庫)
十文字 青
一迅社
売り上げランキング: 614,523
十文字青最高傑作。異論は裏山に穴掘って叫んでくれ。それくらい青春なんて恥ずかしいものがここに埋まっている。

  • 超潜航学園デルファータ

海に沈んだ世界と、思い出の中から帰ってきた少女。謎の敵と世界の謎。少年と少女の出会いが世界を変える! よくあるラノベなんですが、言葉遣いがいちいちよくって、印象に残ります。終わってないからな!!!!

  • MA棋してる!(1)

MA棋してる!(1) (富士見ファンタジア文庫)
三浦 良
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売り上げランキング: 1,231,631
タイトルを見てほしい。(1)だ。(2)はない。早すぎたんだ……。

  • アルテミジアの嗜血礼賛

アルテミジアの嗜血礼賛 (一迅社文庫)
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売り上げランキング: 101,350
吸血鬼ヒロインがその血の味を評する、いわゆるグルメものである。ほんのりミステリ風味で読了感もここちよい。続きが出てほしいのだが、いかんせん扇智史は1冊完結ラノベマニアにはおなじみの作家ではある。「塔の町」は傑作なのでぜひ読んでほしい。

終わってないからな!

1冊になってしまったのか、物語の力が1冊分だったのか。「ミミズク」は1冊でいいじゃないか「塩の街」だって1冊だ。

ミスボドの8月の謎

昨日はミスボド。三か月ぶり、ということは季節が巡っているわけで、時の砂がてのひらから零れ墜ちるのを痛感しますな。
今回は午前10時から21時までの長丁場での開催でした。いっぱい遊べる、なによりいっぱい話ができる! 知らないゲームをいっぱい遊ぼう、と思いつつ、いつものように「ドミニオン」を持ち込んでの万全のムーブ。
毎年8月はあきやまさんにお誕生日の贈り物を1冊。今年は再刊された「たんぽぽ娘」。古いSFを読んでほしいな、という欲からでした。あきやまさんと答え合わせの結果、惜しかったです。今年はあきやまさんが欲しい本がある、答えがあるので、われこそは、という好事家のかたは挑戦してください。ヒントは「たんぽぽ娘」は惜しい、です。

以下、遊んだゲームの感想とかほかいろいろ。

  • ホロット

プレイヤーは夢の中でワインを飲んでおり、それを現実世界に引き戻して得点する。さっぱりわからん。平たく言ってしまうと「ラブレター」チルドレンのひとつ、だろう。ゲームで使用するカードは17枚。それぞれに能力があり、手番ごとに2枚の手札から1枚を使って勝利を目指す。
公平性を重く扱いすぎじゃないかな。同人ゲームでは頻々に目にするのだけれど、異様に公平性に心を砕いているルールが多い。この「ホロット」における公平性というと「どこからでも逆転できる」点だろうか。手番でカードプレイの代わりに降りられるのだけれど、トップと最下位が同時に降りると最下位に得点が移動する。そのため降りるのにもリスクがあり、最下位はそれを狙うしかない。これって公平性かな、と疑問。プレイヤーがその意思で獲得した得点を一気に失う可能性が、最下位プレイヤーがゲームに参加できない状況の打開策として犠牲にされているのは単に人を馬鹿にしただけに感じる。
こういう「1回しか遊ばないゲーム」を前提にした公平性の取り方は疑問だ。公平性のデザインの規模がある。15分のゲームと2時間のゲームでとるべき公平性の為の方法はおのずと異なるはずだ。なのに「1回きりしか遊ばないゲーム」として公平性を確保しようと考えるともうルール全体が影響を受ける。「ラブレター」の公平性の取り方なんて、負けたら「もう1回!」と言えばいいだけのことだ。「ダンジョンオブマンダム」を15時間遊べばプレイヤーの中に公平性を感じるだろう。しかしこの「もう1回」と言ったことのない人は、1回きりのゲームで公平性を獲得しようとしてしまうのだろう。
このゲームデザインにおける公平性への疑問を感じた時に、思い出すのは「ドラゴンズストーン」だ。このゲームが大好きなのだけれど、公平性のためにフラッグ、というルールがある。ゲーム中に数回現れる処理のために、ゲーム全体がこのフラッグの運用でややめんどくさくなってしまっているのだ。本当にもったいない。このフラッグ運用のためにゲーム全体に重みがかかって、気楽に何度も遊べなくしてしまっている。カードゲームなんで「めぐり」があるのだけれど、そこの公平性は味つけとして生かしているのに、他のところの公平性で台無しなのだ。
ゲームのサイズで採用すべき公平性の重みは違って当然だ。公平性のためにゲーム全体が重い、ルールが判りにくいのでは本末転倒も甚だしい。「ホロット」は「ラブレター」対する不満で作られたのかデザインの動機はさっぱり想像がつかないけれど、元が意識して切り捨てたであろうところを後生大事に復活させてて非常にげんなり。ゲームの終了条件もあんまり好みじゃなかったのも残念。6点獲得で勝利終了なのだけれど、前述の逆転ルールがあるのと、降りると1点とのルールでしてやられた感じは受けなかったなぁ。うーん。

  • ニンジャトー

忍者刀? なのかな。ナンデ? 平家、源家、後白河が政争を繰り広げる内裏を舞台に、ニンジャのジツが炸裂する! ニンジャゲームとなると忍殺の文法で理解、楽しもうとするのは果たして正解なんだろうか。楽しいけど。
箱絵から想像していたゲームと全然違う! ナンデ!? 箱絵はお姫様と柱の陰に潜む忍者なのだけれど、それから想像するゲームって、城にとらわれた姫を助ける忍法対決、最後は炎上する城を背景に姫を抱えて闇を走り抜ける忍者の姿……! なんていう山風か横山の忍者帳ものなんですが! 実際の忍者はどこにも所属せず、ただただ己のジツで警備兵を殺して宝物を奪っていくのだった。ときどき出てくる警戒カードが面白かった。
初手でジツを取り損ねて、それでそのままアドバンテージを取られてどうにも挽回できなかった。3勢力すべての2位ボーナスを獲得してなんとか食らいつけるかな、と考えていたのだけれど、まったく追いつけず断然の最下位でした。50点とれたからよしとする(低みの見物)。
全7ラウンド、1ラウンドに手番が3回は変わらないワーカープレイスメントのため、一手の得点効率を高めないとだめだなー。初手でジツを取り損ねるとどうしようもないのも印象的。サツバツ! あと私がこういうゲームが絶望的にヘタだと改めて痛感した。なんかこう、とんがった手ではなくて、平たい手を選んじゃうんだよなー。今回だと勢力ボーナス全部2位を取るとか、そういうの。2位を3つ獲得しても1位1つには敵わないという。

ドミニオン。わぁい。ドミニオンだぁいすき。今回は初めての方がお1人。ひさしぶりにインストでした。
魔女、ならず者、泥棒のサプライなんて不幸しか見えなかった。2ゲーム目は3ターン目くらいでバザーが売り切れ、次にキャラバンうりきれ、最後に倉庫売り切れでおしまいだったかな。勝ってる人が終わらせるゲームであることと、終わりが近いことを情報として扱えることがこのゲームの緊張感を盛り上げるのだと痛感したゲームだった。このあとも終日ドミニオンが遊ばれていたようでよかったよかった。アドベンチャーが待ち遠しいですね!

真夏に冬のカルカソンヌ。ほかのカルカソンヌ派生ゲームとは異なり、これはタイルの絵柄違いで後は基本カルカソンヌそのまんま。バナナもなければ、テントもなく、スターウォーズ世界でもなく、原始世界でもなく、街を広げるわけでもない。ほんとに基本ゲームそのまんま。それだけに簡単にあそべて、絵柄違いで新しく楽しい。
ゲーム内容は、序盤でめっちゃ修道院をひいて、都市建築には乗り遅れるしで、なんとか50点を取っての最下位でした。あひょー。あきやまさんのカルカソンヌスキル上昇速度がすごすぎて驚かされ、1手をほめられて喜んだり。競技カルカソンヌ。みたこともない深さを垣間見た一瞬でした。

大好きな厭なゲーム。今回は10周年記念版。カメレオンがきれいになった! これが10年売れ続けたゲームの力か!
みんなして「辛い」と言いながらめくりつづけるおなじみの展開に心躍る。やはりたのしい「コロレット」。このゲームは24点で1位でした。直ぐに「もう1回」と言いたかったのだけれど、閉会間際のため断念。また今度。

はじめてのウィクロス。スターターにそこらへんでかった30円カードを組み合わせて、経験者に挑む。結果はずんどこ負け。想像してたよりぼこすかマナがたまるゲームだったのでスペルがばんばん撃てると判った。単なるカード能力の強弱は30円デッキではいかんともしがたい。9月の新ブースターの再録カードに期待。イオナのレベル5、バニラのレベル1、2が欲しい。スペル柿積みしたい。しよう。
とはいえ、TCGは将棋と同じで、勝ったり負けたりするまでが長いんだよなー。昇り始めたばかりだからな、この長いウィクロス坂を……!(打ち切りフラグ)

FEのTCG。よーげさんがスターターをお持ちでしたので、赤のスターターでプレイ。ばんばんめくって、ばんばん倒す。公式では撃破されたユニットは墓場じゃないというけれど、破壊されたユニットが置かれるのはグレイブヤードだし、ユニット配置コストはマナだよなー。先人は偉大だ。
ゲーム内容はよーげさんがデッキめくり事故多発で私の勝利。これも9月に新スターター、拡張が出るので、またその時に。ウィニー組みたいので新ブースターに期待してます。「ウィクロス」はウィニーが組めないんだよなー。

最初から最後まで遊び続けておしまいでした。誰ともしゃべってない! もっとデレマスの話を聞きたかったのに! あと毎回名札がいっぱい残るのですが(当日欠席の人は名札が残るのです)今回はそれが少なかったのが印象的でした。大勢が参加されたのですが、教室が多かったので混雑している印象はなかったですね。ポーカー部屋とクイズ部屋とが設けられていたのも一因でしょうか。ポーカー、愉しそうだったなぁ。用語が多いゲームなので、それが通じる人が集まって過ごすのはさぞかし心地いいだろう、と想像します。昨年大きな決断をされた勝又六段のお姿も視見受けられました。あと、チョコザイナさんのアップルウオッチがまだバリバリでもなく、曲がってなかったのが印象的でした。
冷房にやられて、暑さにやられて、まったくもって体調が万全とは程遠い。閉会まぎわの雑談大会でも「最近寝られない」とかそんな話をしてました。明らかに老人会。今朝も起きたらステータスウィンドウが朱色に見えて、せっかくの日曜ゲーム会に参加もままならずしこたま残念。秋になれば元気になるかな。冒頭にああいう一文を書いておきながら、時間が過ぎるのをすこし心待ちにしてます。

なのに9月のミスボドは欠席。飲み会だけ行きます。予定。
ではまた。