ミスボドの8月の謎

昨日はミスボド。三か月ぶり、ということは季節が巡っているわけで、時の砂がてのひらから零れ墜ちるのを痛感しますな。
今回は午前10時から21時までの長丁場での開催でした。いっぱい遊べる、なによりいっぱい話ができる! 知らないゲームをいっぱい遊ぼう、と思いつつ、いつものように「ドミニオン」を持ち込んでの万全のムーブ。
毎年8月はあきやまさんにお誕生日の贈り物を1冊。今年は再刊された「たんぽぽ娘」。古いSFを読んでほしいな、という欲からでした。あきやまさんと答え合わせの結果、惜しかったです。今年はあきやまさんが欲しい本がある、答えがあるので、われこそは、という好事家のかたは挑戦してください。ヒントは「たんぽぽ娘」は惜しい、です。

以下、遊んだゲームの感想とかほかいろいろ。

  • ホロット

プレイヤーは夢の中でワインを飲んでおり、それを現実世界に引き戻して得点する。さっぱりわからん。平たく言ってしまうと「ラブレター」チルドレンのひとつ、だろう。ゲームで使用するカードは17枚。それぞれに能力があり、手番ごとに2枚の手札から1枚を使って勝利を目指す。
公平性を重く扱いすぎじゃないかな。同人ゲームでは頻々に目にするのだけれど、異様に公平性に心を砕いているルールが多い。この「ホロット」における公平性というと「どこからでも逆転できる」点だろうか。手番でカードプレイの代わりに降りられるのだけれど、トップと最下位が同時に降りると最下位に得点が移動する。そのため降りるのにもリスクがあり、最下位はそれを狙うしかない。これって公平性かな、と疑問。プレイヤーがその意思で獲得した得点を一気に失う可能性が、最下位プレイヤーがゲームに参加できない状況の打開策として犠牲にされているのは単に人を馬鹿にしただけに感じる。
こういう「1回しか遊ばないゲーム」を前提にした公平性の取り方は疑問だ。公平性のデザインの規模がある。15分のゲームと2時間のゲームでとるべき公平性の為の方法はおのずと異なるはずだ。なのに「1回きりしか遊ばないゲーム」として公平性を確保しようと考えるともうルール全体が影響を受ける。「ラブレター」の公平性の取り方なんて、負けたら「もう1回!」と言えばいいだけのことだ。「ダンジョンオブマンダム」を15時間遊べばプレイヤーの中に公平性を感じるだろう。しかしこの「もう1回」と言ったことのない人は、1回きりのゲームで公平性を獲得しようとしてしまうのだろう。
このゲームデザインにおける公平性への疑問を感じた時に、思い出すのは「ドラゴンズストーン」だ。このゲームが大好きなのだけれど、公平性のためにフラッグ、というルールがある。ゲーム中に数回現れる処理のために、ゲーム全体がこのフラッグの運用でややめんどくさくなってしまっているのだ。本当にもったいない。このフラッグ運用のためにゲーム全体に重みがかかって、気楽に何度も遊べなくしてしまっている。カードゲームなんで「めぐり」があるのだけれど、そこの公平性は味つけとして生かしているのに、他のところの公平性で台無しなのだ。
ゲームのサイズで採用すべき公平性の重みは違って当然だ。公平性のためにゲーム全体が重い、ルールが判りにくいのでは本末転倒も甚だしい。「ホロット」は「ラブレター」対する不満で作られたのかデザインの動機はさっぱり想像がつかないけれど、元が意識して切り捨てたであろうところを後生大事に復活させてて非常にげんなり。ゲームの終了条件もあんまり好みじゃなかったのも残念。6点獲得で勝利終了なのだけれど、前述の逆転ルールがあるのと、降りると1点とのルールでしてやられた感じは受けなかったなぁ。うーん。

  • ニンジャトー

忍者刀? なのかな。ナンデ? 平家、源家、後白河が政争を繰り広げる内裏を舞台に、ニンジャのジツが炸裂する! ニンジャゲームとなると忍殺の文法で理解、楽しもうとするのは果たして正解なんだろうか。楽しいけど。
箱絵から想像していたゲームと全然違う! ナンデ!? 箱絵はお姫様と柱の陰に潜む忍者なのだけれど、それから想像するゲームって、城にとらわれた姫を助ける忍法対決、最後は炎上する城を背景に姫を抱えて闇を走り抜ける忍者の姿……! なんていう山風か横山の忍者帳ものなんですが! 実際の忍者はどこにも所属せず、ただただ己のジツで警備兵を殺して宝物を奪っていくのだった。ときどき出てくる警戒カードが面白かった。
初手でジツを取り損ねて、それでそのままアドバンテージを取られてどうにも挽回できなかった。3勢力すべての2位ボーナスを獲得してなんとか食らいつけるかな、と考えていたのだけれど、まったく追いつけず断然の最下位でした。50点とれたからよしとする(低みの見物)。
全7ラウンド、1ラウンドに手番が3回は変わらないワーカープレイスメントのため、一手の得点効率を高めないとだめだなー。初手でジツを取り損ねるとどうしようもないのも印象的。サツバツ! あと私がこういうゲームが絶望的にヘタだと改めて痛感した。なんかこう、とんがった手ではなくて、平たい手を選んじゃうんだよなー。今回だと勢力ボーナス全部2位を取るとか、そういうの。2位を3つ獲得しても1位1つには敵わないという。

ドミニオン。わぁい。ドミニオンだぁいすき。今回は初めての方がお1人。ひさしぶりにインストでした。
魔女、ならず者、泥棒のサプライなんて不幸しか見えなかった。2ゲーム目は3ターン目くらいでバザーが売り切れ、次にキャラバンうりきれ、最後に倉庫売り切れでおしまいだったかな。勝ってる人が終わらせるゲームであることと、終わりが近いことを情報として扱えることがこのゲームの緊張感を盛り上げるのだと痛感したゲームだった。このあとも終日ドミニオンが遊ばれていたようでよかったよかった。アドベンチャーが待ち遠しいですね!

真夏に冬のカルカソンヌ。ほかのカルカソンヌ派生ゲームとは異なり、これはタイルの絵柄違いで後は基本カルカソンヌそのまんま。バナナもなければ、テントもなく、スターウォーズ世界でもなく、原始世界でもなく、街を広げるわけでもない。ほんとに基本ゲームそのまんま。それだけに簡単にあそべて、絵柄違いで新しく楽しい。
ゲーム内容は、序盤でめっちゃ修道院をひいて、都市建築には乗り遅れるしで、なんとか50点を取っての最下位でした。あひょー。あきやまさんのカルカソンヌスキル上昇速度がすごすぎて驚かされ、1手をほめられて喜んだり。競技カルカソンヌ。みたこともない深さを垣間見た一瞬でした。

大好きな厭なゲーム。今回は10周年記念版。カメレオンがきれいになった! これが10年売れ続けたゲームの力か!
みんなして「辛い」と言いながらめくりつづけるおなじみの展開に心躍る。やはりたのしい「コロレット」。このゲームは24点で1位でした。直ぐに「もう1回」と言いたかったのだけれど、閉会間際のため断念。また今度。

はじめてのウィクロス。スターターにそこらへんでかった30円カードを組み合わせて、経験者に挑む。結果はずんどこ負け。想像してたよりぼこすかマナがたまるゲームだったのでスペルがばんばん撃てると判った。単なるカード能力の強弱は30円デッキではいかんともしがたい。9月の新ブースターの再録カードに期待。イオナのレベル5、バニラのレベル1、2が欲しい。スペル柿積みしたい。しよう。
とはいえ、TCGは将棋と同じで、勝ったり負けたりするまでが長いんだよなー。昇り始めたばかりだからな、この長いウィクロス坂を……!(打ち切りフラグ)

FEのTCG。よーげさんがスターターをお持ちでしたので、赤のスターターでプレイ。ばんばんめくって、ばんばん倒す。公式では撃破されたユニットは墓場じゃないというけれど、破壊されたユニットが置かれるのはグレイブヤードだし、ユニット配置コストはマナだよなー。先人は偉大だ。
ゲーム内容はよーげさんがデッキめくり事故多発で私の勝利。これも9月に新スターター、拡張が出るので、またその時に。ウィニー組みたいので新ブースターに期待してます。「ウィクロス」はウィニーが組めないんだよなー。

最初から最後まで遊び続けておしまいでした。誰ともしゃべってない! もっとデレマスの話を聞きたかったのに! あと毎回名札がいっぱい残るのですが(当日欠席の人は名札が残るのです)今回はそれが少なかったのが印象的でした。大勢が参加されたのですが、教室が多かったので混雑している印象はなかったですね。ポーカー部屋とクイズ部屋とが設けられていたのも一因でしょうか。ポーカー、愉しそうだったなぁ。用語が多いゲームなので、それが通じる人が集まって過ごすのはさぞかし心地いいだろう、と想像します。昨年大きな決断をされた勝又六段のお姿も視見受けられました。あと、チョコザイナさんのアップルウオッチがまだバリバリでもなく、曲がってなかったのが印象的でした。
冷房にやられて、暑さにやられて、まったくもって体調が万全とは程遠い。閉会まぎわの雑談大会でも「最近寝られない」とかそんな話をしてました。明らかに老人会。今朝も起きたらステータスウィンドウが朱色に見えて、せっかくの日曜ゲーム会に参加もままならずしこたま残念。秋になれば元気になるかな。冒頭にああいう一文を書いておきながら、時間が過ぎるのをすこし心待ちにしてます。

なのに9月のミスボドは欠席。飲み会だけ行きます。予定。
ではまた。