道を違えず。

今日発売のコミックバーズで「大東京トイボックス」が完結した。
一言でいうなら仙水の壮大な片思いの物語だった。最後の最後にその思いが通じ、楽しかったあの日に戻る。あの日に戻れる、というのはなんと素晴らしいことだろうか。しかし、最後は仙水の笑顔とそれに対をなす太陽と仙水の無邪気さの被害者だったことは印象的だった。

言及したいのは、そこではなく。登場人物の一人百田モモについて書きたい。
彼女は物語当初にディレクター見習いとして採用され、作中ずっと企画畑を努めていく。最終回では上司だった太陽のように大きなプロジェクトチームを率いてゲームを作成するに至る。

つまりディレクターとは数年現場を務めた人間が至る上位職ではなくて、最初からディレクターとしてそのスキルを身につけるべきなのだ。世の炎上プロジェクトの原因の一つとして、このディレクタースキルの勘違いがあると思っている。「大東京トイボックス」ではディレクターたる太陽の身勝手で炎上すっけどな。チームみんながわかってるからいいけど。その意味では、太陽の手の届く範囲のチーム構成で、燃やそうとして燃やしたとも言える。コントロールできる程度のチームだったことと、サブディレクターが有能だったわけではあるが。
最終回ではモモがディレクターとして仕様変更を行い、外注のリーダーがそれを笑って(?)受け止める。そういうチームなら炎上もしないし、してもまだそれすら楽しめる余裕があるのだろう。

そんなことを思った。