選び抜いたアナログゲーム。

このエントリは秋山さんのエントリ「選び抜いた10作のボードゲームを紹介させてください - 雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜」に触発されておこしたものです。つまりは六の宮の姫君です。なんのために。

1月が終わりました。というわけで2014年に遊んだであろうアナログゲームから特に面白かったそれ、ではなく、好みのそれを紹介します。選択基準は「愛」です。また以下長いだけです。

1.ゲシェンク
わたしがファイロ・ヴァンスなら推理にこのゲームを使うでしょう。
損を引き取るゲームであること、回避するためにチップを払うこと。この2つの要素がその人の性格を照らしだします。チップを払い方、その表情、引き取る判断などなどが雄弁にその人を語ってみせるのです。またタイトルが「贈り物」なのは悪意ある皮肉でしょう。
なお、フランスアマゾンには見たことがないゲシェンクがいっぱいあります。欲しい。

2.トーレス
ボードゲームならトーレスがベスト。海外のボードゲームを遊ぶと感じられる異文化感を最初に感じたのはこのゲームでした。日本の木の文化に対する石の文化に触れられます。もし「カルカソンヌ」がなければこのゲームが「カルカソンヌ」を名乗っていいでしょう。理想はボードは旧版、城ブロックを新版で遊びたいですね。
2014年のトピックスとしてはルール間違いに気づいたことです。まだ間違ってるとは。

3.暗黒の金曜日
フリーゼのベストでしょう。
株式ゲームの筆頭であろう「アクワイア」とは違い、プレイヤーにはどうしようもない「市場」の存在を感じさせます。勝利条件は資産総額ではなく現物資産の銀の獲得数であるところも面白いです。変動する株価に対して値上がりする一方の銀は、株式市場が暴落すると暴騰するのです。
システム運用が煩雑なのですが、2014年はそれに熟練しました。

4.落水邸物語
秋のゲームマーケットで再版された、伝説というか、誰も知らないであろうトリックテイキング。
秋山さんが書かれていますが、プレイヤーに求められる経験、リテラシは非常に高いです。少なくとも、3スート、8ランク、6トリック、トランプなし、マストフォローの意味がわからなければなりません。そしてそれらが理解できる人であっても、このゲームで何を考えるべきなのかはすぐには把握できないでしょう。
プレイすれば徐々に見えてくる。その体感と経験こそがこのゲームのもつ可能性です。

5.セイルトゥインディア
大航海時代を舞台にしたカードゲーム。
デザインのすばらしさを痛感できるゲームです。遊ぶほどにもうすこしで「底」に手がつきそうだと錯覚できます。選択肢が多いのか少ないのか。一時期、早捲り必勝説が流通しましたが、得点コマ不足によって否定されました。完全な勝利手順が存在するのかしないのか。この存在すると思わせることこそが、ゲームを特別に感じさせ、愛してしまうのです。

6.カルカソンヌ
これも石の文化を感じさせるゲームです。
秋山さんの一文にありますが、2人用だと印象が一変しますね。タイルの種類と枚数をすべて覚え、出てきたタイルをカウンティングし、正解を導かなければなりません。あまり2人用の経験はありませんが、修道院タイルの印象がとりわけ違います。
複数人で他人の手番にあれこれ提案しながらプレイして、風景が出来上がる様が好みです。「カルカソンヌ:冬」がとりわけ好みです。カラスの飛び交う修道院タイルは不穏です。

7.ランカスター
プレイヤーは100年戦争時代のプランタジネットランカスター朝イングランド王ヘンリー五世の治世の貴族となり、国内平定とフランス戦争に尽力し、王の寵愛獲得を目指す。
みんな大好きヘンリー五世。そして100年戦争。それだけでこのゲームを愛さずにはいられないです。とりわけボードの雰囲気が抜群です。拡張2つも購入しましたが未プレイです。「新たなる法」は遊べそうですが「ヘンリー五世」は遊ばない不安を感じます。なお、キックスターターでビッグボックスが募集されていますがなぜ「EDO」がついてくるのか疑問です。
2014年の最初のボードゲームはこれでした。

8.皇帝の影
プレイヤーは神聖ローマ帝国の貴族となり、選帝侯を輩出し、そしてローマ帝国皇帝の一族からの排出を目指す。
2013年によしさんがはまゲーに持ち込まれた際に始めて遊び、しびれました。もう好みの要素しかない。つまりプレイヤーはハプスブルク家となり、選帝侯を寡占し、皇帝を輩出し続けなければならないのです。各州の選帝侯決定時に同票であれば皇帝が決定するというルールがとりわけすばらしいです。
のちに「トーレス」封入のリオグランデカタログでの紹介を見て驚きました。それを読んでいれば迷いなく即買ったのになぁ、と懐かしさを感じました。
2014年は1度だけプレイ。もっと遊びたいし、大勢にこのゲームを知ってほしいです。箱書き90分ですが3時間かかりますよ、これ。ただし、それはしあわせな3時間です。

9.妖精奇譚
ドラフトゲーム最高峰。
これも相当にドラフトゲーム、TCGのリテラシが求められるゲームです。ハンドが一期一会になるため、できれば5人で遊びたいですね。
基本、拡張、拡張第2弾とありますが、いまだに拡張第2弾は遊べていません。もっと拡張が出てほしいのと、同じルールでもっともっとかわいい絵とキラカードを導入して、カード能力を入れ替えたゲーム出しましょう(提案)。

10.マスクメン
2014年まつだ赤ポーン。プロレスの面白さのすべてがここにある。
プロレスをゲーム化しようと考えると、プレイヤーをレスラーにしてしまいがちですが、このゲームではプロモータです。そしてなにより、プロレスファンの楽しみは、強さ議論だったり、団体の衝突だったり、因縁勃発だったりだからです。しょっぱいデビュー戦、驚異の新人デビュー、強いレスラーはずっと強かったり。ゲーム中にドラマが発生します。その一つ一つが経験と知識を刺激する、おもしろさの核なのです。遊び始めたころはもやもやするでしょう。そして繰り返すうちにそれは晴れていくでしょう。

というところでしょうか。2015年にはこれらに影響があるのを期待しています。
ではまた。