嘘をもうひとつだけ

昨日はミスボドでした。あれ? こないだ遊んだような気がしますが、どうやら世界線が(以下略)
期間が近い、ということは、次回までの期間が長いということに他ならないわけで、それはまたそれで、いろいろ思うところがあるわけです。次回までにはゲームマーケットがあり、7日、8日の平日会も連続開催など何もない、のではないですが(悪文)。

第36回ですので、これで3周年。こないだ2周年と日記を書いたように思います。1年が早い。「ゾウの時間、ネズミの時間」を想起します。前回も同様だったのですが、持ち込まれるゲームがへったなぁ、と受付から見えるゲーム置き場を見て感じていました。参加者が多いので持ち込まれるゲームは多く、遊ばれるゲームも当然多いので、今この瞬間だけ少ないように見えるのかな、と考えていたのですが、遊び終わって戻されて、また遊ばれて、と流れを見ても、やっぱりゲーム置き場に隙間があるな、と。加えて、選ばれるゲームと選ばれないそれとがはっきりあるなとも感じいました。次回はゲームマーケット後なので新作も多く、持ち込み棚も充実するでしょうかねー。いっぱいあるとみていて楽しいという身勝手な希望ですが。
今回は「マルコポーロ」がもうあって驚きました。てかてかの新作ですね。最近はホビージャパンがほっとんど輸入販売するので有名どころや、高評価のゲームには国内流通の期待が募るのですが、やはりいくばくかの時間はかかるため、すぐにみられるのはとても特別な経験で、それだけで嬉しく楽しくなりますね。
嬉しく楽しく、といえば好きなゲームが立ってるのを見かけるのもそれです。今回はなんといっても「グランクリュ」ですねー。借金を返すいやーなゲームなんですが、ワイン造りとそれをよりよく売りさばく楽しみとが、いかにも思った通りの「ワイン造り」なのです。この手触りは「オートモービル」にも感じますね。ルールに違和感がないというか、モデリングが理解できるというか、「あー、わかるわかる、そうだよねー」とうなづきあうというか。ルールを説明されて、いざプレイに臨んだとき(錯覚とはいえ)自分が思った通りの手筈でルールに沿っている経験やら、うまくいった成功感やらはそのゲームを好きになる理由ではないかと。

といういつもの前置きから、以下セトリ。

・ごいた
ごいたをまーじゃん牌で。篆書体の特性牌でした。
本来とは違うのですが、まーじゃん牌ですと、個人それぞれがツモ山をつくって親がサイコロをふって2枚ずつ牌をとっていって初期手札とする。ごいたにそんなルールはないのですが、まーじゃん牌で遊ぶことで、まーじゃんのルールが違和感と反対なく導入される。というまーじゃん同様のルールが暗黙のうちに採用される様を面白く感じます。
めずらしく秋山さんと遊んだ一品。

・ロールフォーザギャラクシー
ほんとアメリカ人はダイスゲームが好きなんな!(偏見) 「レースフォーザギャラクシー」のダイスゲーム。ダイスがリソースであり、ワーカーであり、商品になる。ダイスを増やして、惑星を開拓して12か所達成するとゲーム終了。インストされてさっぱりルールが呑み込めなかったのですが、わかると簡単に遊べました。さすがダイスゲーム。
こういう、自分の特徴と時期、潮流、他者との比較で有効な一手を決定して、抜きんでるゲームが苦手だとよーくわかりました。苦手だけど好きです。指導者ゲームと言いますか。「ネイションズ」も特徴を生かしたプレイができないんですよねー、と思い出しました。
つづけて2回遊んだくらい面白かったです。どんどんダイスを増やしてばんばん開拓したい。

・落水邸物語
変態トリックテイキングの白眉。「何を考えればいいのか判らない」という声をよく聞きます。だから遊ばないと続くわけですが、探すためにもっともっと遊んでほしいと願っています。今回はミスボド初心者卓をお借りして遊んでたら大勢にそれを指摘されたのが面白かったです。初心者は遊ばないゲームとはみんなの認識が統一されているところに、このゲームの魅力を再確認しました。
あと連想なんだけど、ウィキペディアの「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO - Wikipedia」の記事内容はすごいと思いました。なぜ連想したかは内緒です。

スコヴィル
唐辛子畑を育てるゲーム。農業ゲームなんだけど、なんか点数システムがしっくり合致してない印象。
とにかくお値段がお高いゲームとして私の中で有名だったのですが「駿河屋で6000円でした」と聞いて「それでもお高い……。チグユー尊い」と思いました。
とうがらしコマが多くて面白かったです。中にはくさった唐辛子もあるのですが、ゲーム前におもったとおり腐った唐辛子ばかりの畑が爆誕して自分のゲーム経験値の上昇を感じました。

・セイルトゥインディア
なんと! 今回は! デザイナーのokazuさんのインストによるセイルトゥインディアでした! なんというリッチなゲーム体験! そしてokazuさんはインストだけでプレイヤーにはいないという! ありがとうございました。
インストを受けて、いざプレイを開始して、すぐに気付くコマ足りないという発見、とその次にくる「そういうことか!」という発見の経験はこのゲームのなによりの特徴ではないかと改めて感じました。
4番手でしたので、船速あげて速攻雇い切ったのですが、1点差で2位でした。しかもインドには到着しませんでした。まぁ、このゲームでインドについてゲームが終わるのはまれなのですが。


今月は受付を早々に抜けたのでいつもより遊べました。やっぱり愉しいボードゲームソードワールドも愉しいけどね! あと二か月つづけてもっちぇさんに不義理を働いてしまいました。もうしわけありません。

さて、課題図書はどうなったのか見届けられませんでした。
来月はあらいさんからのたってのリクエストで「スペースプローブ」(機本伸司 ハヤカワ文庫JA)です。Jコレクションで読んだ君も、文庫で読んだ君も、ふゆの絵につられた私も、みんなして語りましょう。ある人は言いました。もっとも人間同士の強い関係は「戦友」だと。これを読んだ人たちのこころはみな一つになると信じています。金返せ、と。

スペースプローブ (ハヤカワ文庫JA)
機本 伸司
早川書房
売り上げランキング: 744,526

ではまた。来月お会いしましょう。

監獄島脱出ゲーム。

もう一週間前ですが、21日はボードゲーム会「ミスボド」に参加しました。
受付をお手伝いしてるので、大勢の方とちょっとは喋る機会に恵まれるわけなので、不審じゃないように注意してますが、はたして実っているのやら。全力ではなしかけられやすいように努めています! なんかアレならごめんなさい。で、今回はほとんど受付するフリをしながら「押忍にゃん尊い」という話ばかりしてたのでした。

以下、遊んだゲームについて一言、二言。

  • 暗黒の金曜日

初めて、これを遊ぶのに誘われました。エポックメイキング! 銀購入ラッシュと暴落であっというまにゲーム終了でした。12銀で2位だったかな。やっぱり面白いです。

  • ブラックウィーン

初めて当てました!!!!! エポックメイキング! あと操作トークンも3個のりました! エポ(以下略

マラケシュ」のほうが通りがいいのかな。絨毯を置いていくゲーム。コンポーネントが独特で一見おだやかそうなゲームに見えるのですが、実態はそんなんじゃない。他人の不幸が自分の得点になるのだ! 最後に11金を踏んでいただいて最下位脱出したはず。へっへっへ。エポックメイキングさはなし。

職人を雇って建築案件を受注して勝利する。ルールがとにかく簡単(経験値があれば理解しやすい)ので好みです。慣れた人ばかりで15分でゲームが終わりました。エポックメイキング!
これ、職人を、PM、PL、インフラエンジニア、アプリエンジニア、プログラマとかに変えて、建築物を「証券取引所オンライン」「特許庁システム」「会計監査院システム」「国民総背番号制管理システム」「都市銀行勘定系リプレース」「某社有名在庫管理システム」とかに変えれば即嘔吐痙攣誘発ゲームに変り果てそうな予感がします。誰か作ろう(提案)。

というところでしょうか。二次会でひさしぶりに「ツインシグナル」の話ができたのがエポックメイキング。「グルグル」ばかりが初期ガンガンの代名詞のように語られますが「バイオリン弾き」「ロトの紋章」「パプワくん」「ハレグゥ」「守護月天」そして「ツインシグナル」も面白かったと思うのですよ。
おっと「守護月天」は大勢から心の底にある固く閉め鎖で閉ざした扉が開きそうな音が聞こえますな。というわけで来月(今週だ)のミスボドの課題図書は「まもって守護月天!」です。星神の名前を憶えた君も、シャオリン役で友達と揉めた君もみんな集まれ! http://www.toei-anim.co.jp/tv/getten/index2.html 東映アニメ、まじめにやれ。

ではまた。

ロイヤルス

以前紹介した「ロイヤルス」がメビウスゲームスから輸入販売されましたな。よかったよかった。好事家の方はぜひ。
で、連想で全然関係ないことを書こう。
得点計算は全3ラウンド。ボードによると1648年、1680年、1714年。
1648年は30年戦争終結、ウエストファリア条約成立。神聖ローマ帝国の終焉。1714年がスペイン継承戦争終焉。スペインハプスブルク家断絶。まではわかるんだけど、1680年ってなにかあったっけ? 手元の文献やらWikipediaを調べたりしたけど特に革命っぽいのはなかったのよね。無学なのが恨めしい。ナポレオンの台頭なんかな。はてさて。

あと、王様タイルに書かれてるのはルイ14世なのは判る。あとはしらん。男爵が古田新太に見えて仕方がない。欧州人が見るとすぱっと判るんかなぁ。そういうのなんかいい。独逸のボードゲームはやや教育色を帯びているのでこういうデザインなんですかね。たとえば、徳川15代将軍を並べられても徳川家康一橋慶喜くらいな知性が恨めしい。

ではまた。

ボードはどこへ行った?

昨日はミスボドでした。楽しかったよ!

最近、いろいろしゃべってるほうが愉しくてゲームを遊んでないのでは、と考えていました。ミスボドですと受付をお手伝いしているため、しゃべってることが多くなるのですが、それでもなんとか1つながーいゲームを遊ぼうと計画して臨んだ回でした。

結果:ドミニオンやってた。

3回連続でプレイするほど愉しかったので満足なのですが、ボードを使ってないのが当初の計画とはずれてしまってちょっと心残り。「トーレス」「チグリスとユーフラテス」「マンモス」「アーバニゼーション」で遊びたかった……。「シヴィライゼーション」を遊べる日は来るのでしょうか。あとクイーンゲームズのイエローウェーブシリーズがボードゲームレーベル最後の砦じゃないだろうか、と最近思ってます。
まっさらなボードにいろいろ置かれていって、ゲームが進んでいくさまを見届けたいのです。コマが増えて終わりに近づくの感じたり、減っていって終わりが見えるのを感じたり。思考の足跡で風景が変わっていく過程と結果を見届けて楽しみたいのです。具体的には「トーレス」のように城が組みあがっていく、風景が変わっていくのを楽しみたいなぁ。「チグユー」はアナログでは遊んだことがないので、どうなるのか楽しみにしています。また誘いますのでご一緒ください。あ、チグユーはインストできるほどルールを知らないので、インストからお願いします(ボトルメール)。
ボードと言えば、最近のゲームデザインのトレンドは四角くないボードですかね。個人ボードよりは共通ボードのほうが好みです。でもって、バカファイアさんの新作がすっとんきょうで面白そうでした。「そう」ではなく、おもしろいです(断言)。スポーティングソルト(合掌)。

という前振りから遊んだリストと短評を四季報なみのクオリティで。

・名前をよんで
ロシアのゲーム! 初めてです。アナスタシアが(以下略)。
これまたすっとんきょうなキャラクタが書かれたカードに名前を付けて覚えておく。2回目以降の登場時にその名前を呼ぶと場のカードをすべて獲得してこれが得点となる。ひとひねりは「各プレイヤーが最後に獲得したキャラクタの名前は呼べずに「なんだろう?」ということ。このなんだろう、がすさまじくむつかしい! メモリからすぐにリアクションだけで勝てずに、わずかに状況処理が必要になってしまうのです。
結果は手も足も出ず。あと大声出してごめんなさい。

ドミニオン
みんな大好き、ルールを知ってるけど、誘うと断られるゲーム筆頭。
今回のサプライでは抑留、1金、1勝利点トークンすべてを使えてたのしかったです。記念碑強すぎ説。見せ場としては願いの井戸で見事金貨をあて、属州を手に入れた瞬間でしょうか。勝てませんでしたが。ドミニオン道はまだまだ長い。あと、寵臣、辺境伯、ならず者などがそろったサプライはクソ。

・光より遅く
いま(ごくごく一部)で話題沸騰のゲームポエム。
今回の物語は「人狼疑惑から裁判となり、村を追放された4人が真相を突き止める」でした。それぞれが1人となり、手紙のやり取りと記憶から真相へと迫る物語はぜひ読坂雄二に書いてほしいと思いました。結局、真相は光の果てへととびさり、ふたたび会うことない4人それぞれがそれぞれの真相を胸に新しい暮らしへと移ろっていくのでした。人は人に。人狼はふたたび人狼として生きるために。

そして翌日の今朝。出来立ての朝日の中ソファーに腰かけ、最後の届かなかった手紙を読みました。虹川さんからのそれが愛しかありませんでした。そしてこれがおそらく最後の手紙でしょう。

・GOLD
ロバゲー。 「クーハンデル」とかそうなんですが欧州ではロバってなんかの象徴なんですかね? 場にでた5枚の得点カードを手に入れたりマイナス点のロバカードと入れ替えたりする。手番に恵まれてこれは勝利。

2次会でしみじみ語ってたのですが、ボードゲームで勝った経験ってほとんどないですね。もちろん勝つために全力を傾けるのですが、ぜんぜん足りないなぁ、と。という話をしていて「将棋なら繰り返し遊んで、その上いつか勝てる日が来て、勝つための力が身に着く」ということ、その反対として大多数のボードゲームではこの「勝てる力」に対してデザインとしてランダム性が導入されていて、どこか究極の地点で経験ではどうしようもない局面がおとずれるし、そこに面白味がある場合が多いという認識の共有が得られました。それを美点とするか汚点かは好みでしょう。

というところで今月のミスボドでした。バレンタインデーでしたので、名札が可愛かったですね。クリスマスなど芸コマです。
「1st&goal」のためにルールと今風のアメフト知識を勉強します。「マスクメン」と同じで、その知識があるとないとでは全然違うと思えるのです。アメフトの知識はファミコンの「タッチダウンフィーバー」くらいなので楽しいです。ラン主体が正解だと思ってしまうのは古いのでしょうか。ヒーローがージョー・モンタナで止まってるようでは先が思いやられます。まずはNFLのサイトを読んだので来週からNFK倶楽部を見るとします。

今月の課題図書は「ミラクルチロル44キロ」でした。あらいさんが読んでて「タイトルとカバーイラストはよかった」と評価は同一でした。ちなみに続編の「マジカルパンプキン」を読んでたのはわたしだけでした。メガミ文庫に合掌。「ナナヲチートイツ」初版8000部を忘れない。
来月の課題図書は「さよならの次にくる <卒業式編>(似鳥鶏 創元推理文庫)」です。カバーイラストのめがねの女生徒はいったい誰なのか。みなさま、ふるってご参加ください。

ボードゲームの呪い

たしかに、ボードゲームは面白い。で
とにかく、ボードゲームで遊んでいる。ちょっとでも時間があると遊ぶ。会えば遊ぶ。ネット上でも遊んでる。なんだろう、面白い趣味ではあるけれど、なんかもう、呪われてるんじゃないか、と怖くなるくらい遊んでる。かと言って繰り返して遊んでいるわけでもない。次から次へと新しいゲームを遊び続けている。「僕たちはボードゲームを遊ぶ時に必ずインストを受けているんじゃないか問題」が横たわる。インスト時間はプレイ時間じゃないよ!
と、思った週末のある日。ここまで書いときながら自分も新作小説ばっかり読んでるなぁ。繰り返し読む本って3冊だ。

ラノベをバカにしたい。

ラノベを馬鹿にするのは誰か議論。
読まない人だよね。ライトノベルは「ライト」であることを名乗ってるわけで、その意味では自覚的なわけです。ハヤカワのSFでもFTでもないところにライトノベルが成立したんじゃないかな。まだスニーカーができる前の角川文庫で(めんどいので略)
批判することで読まなくていいよね! すっぱいぶどうだから! つーかさ、何読むかくらい自分で決めろよ。言うべきは「ラノベは読むに値しない」じゃなくて「面白いラノベ教えろ」だろうに。批判は下品。批判する人、普段どんなの読んでるの? それに興味がある。私はラノベばっかりですよ。時々ミステリ、SF、教養小説。くっそつまんねーぞ「失われた時を求めて」と「フラニーとゾーイー」(下品)。
ラノベは専門用語が多すぎるのはよくわかりますが「ジト目が痛い」は批判し「目釘を湿らせた」はよしとするのでしょうか。同じ硬度だと思うのですが。「文庫の王国」によるとラノベの出版点数と時代小説のそれ、新書のそれがほぼ同じですから、時代小説と新書も批判してください。そして何が残るのかを私に見せてください。

選び抜いたアナログゲーム。

このエントリは秋山さんのエントリ「選び抜いた10作のボードゲームを紹介させてください - 雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜」に触発されておこしたものです。つまりは六の宮の姫君です。なんのために。

1月が終わりました。というわけで2014年に遊んだであろうアナログゲームから特に面白かったそれ、ではなく、好みのそれを紹介します。選択基準は「愛」です。また以下長いだけです。

1.ゲシェンク
わたしがファイロ・ヴァンスなら推理にこのゲームを使うでしょう。
損を引き取るゲームであること、回避するためにチップを払うこと。この2つの要素がその人の性格を照らしだします。チップを払い方、その表情、引き取る判断などなどが雄弁にその人を語ってみせるのです。またタイトルが「贈り物」なのは悪意ある皮肉でしょう。
なお、フランスアマゾンには見たことがないゲシェンクがいっぱいあります。欲しい。

2.トーレス
ボードゲームならトーレスがベスト。海外のボードゲームを遊ぶと感じられる異文化感を最初に感じたのはこのゲームでした。日本の木の文化に対する石の文化に触れられます。もし「カルカソンヌ」がなければこのゲームが「カルカソンヌ」を名乗っていいでしょう。理想はボードは旧版、城ブロックを新版で遊びたいですね。
2014年のトピックスとしてはルール間違いに気づいたことです。まだ間違ってるとは。

3.暗黒の金曜日
フリーゼのベストでしょう。
株式ゲームの筆頭であろう「アクワイア」とは違い、プレイヤーにはどうしようもない「市場」の存在を感じさせます。勝利条件は資産総額ではなく現物資産の銀の獲得数であるところも面白いです。変動する株価に対して値上がりする一方の銀は、株式市場が暴落すると暴騰するのです。
システム運用が煩雑なのですが、2014年はそれに熟練しました。

4.落水邸物語
秋のゲームマーケットで再版された、伝説というか、誰も知らないであろうトリックテイキング。
秋山さんが書かれていますが、プレイヤーに求められる経験、リテラシは非常に高いです。少なくとも、3スート、8ランク、6トリック、トランプなし、マストフォローの意味がわからなければなりません。そしてそれらが理解できる人であっても、このゲームで何を考えるべきなのかはすぐには把握できないでしょう。
プレイすれば徐々に見えてくる。その体感と経験こそがこのゲームのもつ可能性です。

5.セイルトゥインディア
大航海時代を舞台にしたカードゲーム。
デザインのすばらしさを痛感できるゲームです。遊ぶほどにもうすこしで「底」に手がつきそうだと錯覚できます。選択肢が多いのか少ないのか。一時期、早捲り必勝説が流通しましたが、得点コマ不足によって否定されました。完全な勝利手順が存在するのかしないのか。この存在すると思わせることこそが、ゲームを特別に感じさせ、愛してしまうのです。

6.カルカソンヌ
これも石の文化を感じさせるゲームです。
秋山さんの一文にありますが、2人用だと印象が一変しますね。タイルの種類と枚数をすべて覚え、出てきたタイルをカウンティングし、正解を導かなければなりません。あまり2人用の経験はありませんが、修道院タイルの印象がとりわけ違います。
複数人で他人の手番にあれこれ提案しながらプレイして、風景が出来上がる様が好みです。「カルカソンヌ:冬」がとりわけ好みです。カラスの飛び交う修道院タイルは不穏です。

7.ランカスター
プレイヤーは100年戦争時代のプランタジネットランカスター朝イングランド王ヘンリー五世の治世の貴族となり、国内平定とフランス戦争に尽力し、王の寵愛獲得を目指す。
みんな大好きヘンリー五世。そして100年戦争。それだけでこのゲームを愛さずにはいられないです。とりわけボードの雰囲気が抜群です。拡張2つも購入しましたが未プレイです。「新たなる法」は遊べそうですが「ヘンリー五世」は遊ばない不安を感じます。なお、キックスターターでビッグボックスが募集されていますがなぜ「EDO」がついてくるのか疑問です。
2014年の最初のボードゲームはこれでした。

8.皇帝の影
プレイヤーは神聖ローマ帝国の貴族となり、選帝侯を輩出し、そしてローマ帝国皇帝の一族からの排出を目指す。
2013年によしさんがはまゲーに持ち込まれた際に始めて遊び、しびれました。もう好みの要素しかない。つまりプレイヤーはハプスブルク家となり、選帝侯を寡占し、皇帝を輩出し続けなければならないのです。各州の選帝侯決定時に同票であれば皇帝が決定するというルールがとりわけすばらしいです。
のちに「トーレス」封入のリオグランデカタログでの紹介を見て驚きました。それを読んでいれば迷いなく即買ったのになぁ、と懐かしさを感じました。
2014年は1度だけプレイ。もっと遊びたいし、大勢にこのゲームを知ってほしいです。箱書き90分ですが3時間かかりますよ、これ。ただし、それはしあわせな3時間です。

9.妖精奇譚
ドラフトゲーム最高峰。
これも相当にドラフトゲーム、TCGのリテラシが求められるゲームです。ハンドが一期一会になるため、できれば5人で遊びたいですね。
基本、拡張、拡張第2弾とありますが、いまだに拡張第2弾は遊べていません。もっと拡張が出てほしいのと、同じルールでもっともっとかわいい絵とキラカードを導入して、カード能力を入れ替えたゲーム出しましょう(提案)。

10.マスクメン
2014年まつだ赤ポーン。プロレスの面白さのすべてがここにある。
プロレスをゲーム化しようと考えると、プレイヤーをレスラーにしてしまいがちですが、このゲームではプロモータです。そしてなにより、プロレスファンの楽しみは、強さ議論だったり、団体の衝突だったり、因縁勃発だったりだからです。しょっぱいデビュー戦、驚異の新人デビュー、強いレスラーはずっと強かったり。ゲーム中にドラマが発生します。その一つ一つが経験と知識を刺激する、おもしろさの核なのです。遊び始めたころはもやもやするでしょう。そして繰り返すうちにそれは晴れていくでしょう。

というところでしょうか。2015年にはこれらに影響があるのを期待しています。
ではまた。